テント倉庫の屋根は、使用目的や設置環境に応じて、さまざまな形状が選べます。ここでは「切妻屋根」「片流れ屋根」「円弧屋根」の3つの代表的な形状について、それぞれの特徴を紹介します。
切妻屋根は、三角形を形成する最も一般的な屋根形状です。シンプルな構造で、コストパフォーマンスが高いのが大きな特徴です。ベンチレーターなどのオプションを取り付けたい場合にも適しており、あらゆるテント倉庫で幅広く利用されています。特に希望がない場合、テント倉庫ではこのタイプが標準的に選ばれます。
施工が早く、ベンチレーターなどのオプションを取り付けやすいという利点があります。また、結露や雨水が自然に流れ落ちやすいため、排水効率も良好です。デザイン面でも使いやすく、多くの場面で活用されています。
ただし、屋根の中央部に負担が集中しやすく、特に最も高い部分が劣化しやすい傾向があります。これは、多くの施工業者が補強しているため、耐久性の問題が発生することはほとんどありませんが、注意が必要です。また、屋根の形状から熱が天井部分にこもりやすいという点もあります。
用途 | 工事用製品保管 |
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寸法 | W15.0m × L20.0m × 軒高5.0m(2棟) |
建設地 | 熊本県菊池郡菊陽町 |
用途 | 資材保管 |
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寸法 | W9.1m × L30.0m × 軒高3.5m |
建設地 | 長野県北安曇郡 |
片流れ屋根は、片側が高く設けられた非対称なデザインが特徴です。この形状は、雨や雪が一方に流れるため、通路や荷捌きスペースなど人の移動がある場所を濡れずに快適に保つことができます。特に雪が多く降る地域では、片流れ屋根は非常に有効で、屋根に溜まる雪を効率的に流すことができます。
また、背が高いほうには大きな開口を設けることができ、既存の建物やテント倉庫に増築・連結する際にも適しています。
一方で、雨水が一方に集中するため、排水設備として大きな雨どいが必要になることがあり、追加の設備コストが発生する場合があります。さらに、この形状は他の屋根に比べてややマイナーなため、場合によっては割高になることもあります。
用途 | 記載なし |
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寸法 | W8.125m × L20.2m |
建設地 | 石川県小松市 |
用途 | 材料や部材の一時保管場所 |
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寸法 | W10m x L20m x 軒高5m |
建設地 | 福岡県 |
円弧屋根は、その名の通り、屋根が円弧を描くデザインで、角のない滑らかな外観が特徴です。近未来的でスタイリッシュな印象を与えることができるため、特にデザイン性が求められる場面で選ばれやすいです。また、屋根にかかる圧力が均等に分散されるため、耐久性が高く、屋根部分のシートが破れにくいという利点があります。
円弧屋根は、テント倉庫の高さを抑えたい場合にも有効で、特に桁上(軒より上の部分)の高さを大きく取りたくない場合に便利です。空調効率も良好で、内部の温度管理がしやすいのも特徴です。
ただし、円弧屋根は比較的マイナーな形状であるため、施工費用が他の屋根形状に比べて割高になる傾向があります。さらに、屋根の一部が破れた場合、その破損が広がりやすく、修理範囲が大きくなる可能性もあります。
円弧屋根は、スタイリッシュな外観を求める場合や、テント倉庫の高さを抑えつつ、効率的な温度管理が必要なときに選ぶと良いでしょう。
用途 | 倉庫 |
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寸法 | W12m × L20m × 軒高5m / 258.0㎡ |
建設地 | 山口県 |
用途 | 製品倉庫 |
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寸法 | W18m x L27.5m x 軒高5m |
建設地 | 福岡県 |
各屋根形状にはそれぞれの特徴があり、利用目的や設置環境に応じて最適な選択を行うことが重要です。どの形状を選ぶかで、コストや機能性、デザイン性が大きく異なるため、慎重に検討しましょう。
【選定条件】
2023年2月15日時点のGoogle検索「テント倉庫 メーカー」(全11P,101件)で公式HPが表示された38社の中から
・日本膜構造協会の正会員、工場認定を受けている
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