テント倉庫の利用で気になるのが、その耐久性です。他の建築物よりも強度面では劣っており、生地の劣化や破損などの心配もあります。ただ、強度は素材によって異なり、メーカーによっては経年劣化に強く、厳しい環境でも引張強度が高く維持されている高耐久のシートを使っているところも。布を強く織る方法や、特殊なコーティングで強度を上げるなど、シートの高耐久化を実現しています。
一般的に、テント倉庫で使われているシートは、経年劣化により10年ぐらいで交換が必要と言われています。ただ、紫外線や突発的な自然災害などの外部からの影響、立地場所やシートの性能などから劣化するスピードが個々によって異なります。
また、国税庁の減価償却資産・耐用年数の基準表では、テント倉庫「金属造のもの・工場用・倉庫用のもの(一般用)」は「31年」となっています。これはあくまでも減価償却からみて年数となるので、実際の耐久年数を示すものにはなりません。
テント倉庫の基本となる状態チェックは、骨組・シート・扉の3つにわけておこないます。骨組みは変形していないか、接合部や脚元のボルト、ブレース類はゆがんでいないか。シートは擦り切れや破れ、穴が開いていないか、骨組みに固定するベルトやロープについても確認します。そして扉部分も、開閉動作がスムーズにできるか、ひずみや外れがないかなど、定期的に確認し、少しでも気になるところがあればメーカーに見てもらうようにします。
定期的なメンテナンスと補修をしっかりおこなうことで、耐用年数を伸ばすことができます。早い段階で異常を発見する事ができれば必要な処置も軽く済み、他への被害も抑えられます。
特にシートの張替えは重要で、例えば破けた箇所から雨水が入り込んでしまえば鉄骨までダメにしてしまうなど、被害を拡大させてしまいます。本来の耐久年数よりも短いうちに、建て直しといった事態にもなりかねません。
テント倉庫を長く安心して使うには、日々のメンテナンスが欠かせません。テント倉庫の状態を把握し、適切なメンテナンスを実施するには専門家の力を借りるのがおすすめです。アフターサポートまで対応してくれる企業に依頼をするといいでしょう。
【選定条件】
2023年2月15日時点のGoogle検索「テント倉庫 メーカー」(全11P,101件)で公式HPが表示された38社の中から
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